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【Onlooker】~サラが見たもの~
第8章 危険な、遊技?
「っ……!」
自分の心のデリケートな部分を、ズカズカと土足で踏み荒らされる感覚。咲花の容赦ない言葉の数々に、サラは抗弁したい想いが渋滞を起こしたようにして言葉を詰まらせてしまった。
そこに助け舟を出したのは、紺野である。
「僕はその二人のことも知らないし、この件ではどうやら部外者のようだけど。それでも名前が出たついでに一つだけ――その認識は誤解だと言っておこうか」
「へえ、じゃあ紺野さんはぁ……この娘に、どうやってイカされたんですかぁ? 手で? それとも、口で?」
そんな不躾な問いに対し、紺野は微笑を浮かべたまま、こう答えた。
「そうだなあ……強いていうのなら“心で”かな」
それを聞いて一瞬キョトンとした咲花は、しかし直後に高らかに笑った。
「アハハハハ! なに、それぇ? 流石、紺野さん。ユーモアもレベル高―い!」
そんな風に笑う咲花にモヤモヤとした感情を抱きながらも、紺野のフォローの甲斐もあるサラは少し冷静さを取り戻していた。
しかし、咲花の方は――。
「ま、そんな話はいーけど。謝罪の方はちゃーんと受けてもらいますから。じゃないと、こっちの気が済まないし。ということで、例のものお願いね」
その言葉に合せ口髭の男は、料理を運ぶようなキャスター付きのワゴンを押してくる。が、その上に乗せらてたものは、料理ではなくって――。