この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
【Onlooker】~サラが見たもの~
第8章 危険な、遊技?
「――!?」
ワゴンの上に乗っていた幾つかのものを見て、サラの内心には期せずして嫌な予感が奔った。その一つ一つをつぶさに確認したわけではないけれど、それらの“道具”は少なくとも会食の場には相応しくはなかった。
出刃包丁――金槌――鋸(のこぎり)――金切鋏(かなきりばさみ)――等々。
「……」
そのようなものは、一体なんのために用意されたのか? 床に倒れた二人は、どうなろうとしているのか?
否応なく、緊迫感が高まる。そうして――
「さぁて、じゃあご説明しますねー」
その全てを理解した咲花が、得意げに口を開いた。
「謝罪っていうと、なんだか堅苦しいじゃないですかー。それでちょっと趣向を凝らして、ポップにゲーム感覚でやってみたらどうかと考えたわけなのでーす。それでね――まずは、コレを」
と、咲花が皆に見せたのは、普通のサイコロである。そして、それを――
「じゃあ、試しに振ってみますよぉ」
咲花はそう言って、テーブルの開いたスペースにそれを振った。サイコロは転がり、やがて止まって出た目は――【2】。
「ハーイ! 【2】でしたぁ。これがどうなるかというと――」
咲花はそう言いながら、ワゴンの上に並べられた道具を見る。
「――!」
サラも改めてよく見てみると、それらには【1】~【6】番号がふられたシールが張られていることに気づいた。どうやらその番号が、振ったサイコロの目に対応しているということらしいのだか……。
「使う道具は――この金槌に決まりましたぁ!」
妙なテンションのまま、咲花はワゴンの上から【2】のシールが張られた金槌を手に取り、それを高々と掲げた。