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【Onlooker】~サラが見たもの~
第8章 危険な、遊技?
そして、スーツの男が訊く。
『それで、咲花とはやったのか?』
すると黒木が言い淀む間に、咲花の声が話し出そうとするが。
『それがねぇ――』
『お前には聴いてない』
と、間髪入れず、スーツの男がそれを制した。そして、再び――
『どうなんだ。正直に答えるかどうかで、その後の対処も変わるというものだが……』
そう迫られた黒木は、床に着いた手にグッと力を込めながら、こう話した。
『や、やってないっす……というか、できませんでした』
『どういう意味だ?』
『おっ、俺が早漏だから……結局、咲花さんを……抱けませんでした』
『なんだと……?』
黒木の告白を聴いて、スーツの足元がピクリと微かな反応を見せた。
それに慄いたように――
『本当に――申し訳ありませんでした!』
黒木が額を床に撃ちつけながら、渾身の土下座をしてみせていた。
『……』
暫し動きを失った映像。その中に一人緊張感の希薄な咲花の声が、またこんな風に話し出している。
『ホントだよぉ。俊ちゃんたら軽く愛撫してあげただけでぇ、なんと三回もイッちゃってさぁ。あの感じだと最後までなんてムリムリ。だからぁ――』
その時、その場の空間を斬り裂くような男の声が、鳴り響いた。
『黙ってろつってんだろぉ!』