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【Onlooker】~サラが見たもの~
第9章 委ねられる、人生?
チハルさんは若くて美人で、それでいて格好良くて。まるでテレビで観る女優さんみたいだって、そう思っていた。その気持ちは“純粋な憧れ”であり、今自分の身体に施されている“淫らな行為”とは、乖離(かいり)が激しすぎて狂おしくなる。
自分を窮地から救ってくれたチハルさんと、病んだ心を隠さない今のチハルさん。その二つの姿が、結びつきそうで結びつかない。
否――結びつけることを、俊太の少年の心が強く拒絶していた。硬直したように動かない身体に反し、大いに悩み揺らぐその気持ちを――知ってか知らずか?
「ね――見て」
チハルさんはそう言うと、俊太を愛撫するのとは違う手で、自分の服を捲り上げた。
「――!?」
俊太のすぐ目の前で、チハルさんのオッパイが剥き出しにされてる。
そうして――
「ほら、いいのよ」
「え……?」
「触っても――いいから」
そう言って――クス――と笑んだ口元は、なんとも言えずに妖しく。
「……」
まるでそれに操られたように、俊太の左手はピクリと動いた。けれど、それは言い訳。だから後々になってまで、俊太はその時の自分を嫌悪することになる。
「うふ、どう?」
「……」
結果、俊太はチハルさんのオッパイに触れて、自分の意思でその感触を確かめていた。
そして、その直後のには――
「うわっ……!」
俄かに激しさを増したチハルさんの掌の中で、俊太は鮮烈に全てを曝け出すのだった。