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【Onlooker】~サラが見たもの~
第10章 導かれゆく、想い(こたえ)たち?
数日前に紺野から連絡があり「どこに行きたい?」と問われた時、サラは少し迷った後「遊園地で、いいですか?」と照れながら答えていた。
それはあまりにもベタな選択。その上、大人の紺野を前に自分の子供っぽさが際立ってしまいそうで、その点で恥ずかしく感じたのは確かだった。
それでも「デート」という響きには漠然とした憧れがあって、それがサラの妄想の中で“遊園地”のイメージとセットになっていたのだから仕方がない。
そう――今日は、サラの人生における“初デート”なのだ。
「次は、なにを? また絶叫系かな」
と、訊かれて。
「うーん……では、今度はホラー系で」
サラはそう言って、お化け屋敷のアトラクションの方を指示した。
すると――
「了解! では、お供しましょう――お嬢さん」
紺野はそうおどけて、少し折り曲げた右ひじをサラに差し出す。
「……」
少しだけ頬を紅く染めて、サラは自分の手をそっと紺野の腕に絡めていた。
二人は寄り添って歩き、その後も遊園地デートを心ゆくまで楽しもうとしている。