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【Onlooker】~サラが見たもの~
第1章 見るだけの、お仕事?
「私が働いちゃ、いけませんか?」
「別にぃ……勝手だろ。あ、そうそう――コレ」
黒木はを思い出したようにそう言うと、ダッシュボードから紙袋のようなものを取り出し、サラの方に差し出す。
「なんですか、これ?」
「必要なんだろ」
黒木はそう言って、横目でふっと笑った。
その態度を不快に思いながら、それでも仕方なく袋の中身を見た、サラは。
「なっ……!」
「お前、おもらししたんだって? 新品のパンツを渡してやれって、社長がさぁ」
手にした真っ新なパンツを見つめ、サラは肩をワナワナと振るわせている。
「さ、最低……」
確かに下着は、濡らしてしまったけれど……。
「私、おもらしなんか、してません!」
「お、おい……なんだよ、あぶねぇだろ。お前は、さっさとパンツ履き替えてろよ」
「うるさいうるさいうるさーい!」
車の中で、サラと黒木がじゃれ合う(?)のに合わせて。
走行中のベンツがタイヤを鳴らし、その黒光りする車体を左右に揺らした。