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【Onlooker】~サラが見たもの~
第10章 導かれゆく、想い(こたえ)たち?
「ごめんね。つい、余計なことを言いそうになった」
「そんな……」
「とにかく、この僕はフラれてしまったようだね」
そう言って、紺野が寂しげに笑ったのを見て、サラはキュッと胸が締め付けられる想いがした。伝えなければならない気持ちがあった。
「わ、私――一晩中一緒だった、あの夜に――」
それは観覧車が、ほぼ最高地点に差し掛かったタイミングのこと。その情景にサラの妙に昂ぶった気持ちのピークがリンクして、異様な緊張状態を生じさせた結果――であろうか?
サラはその時、紺野に伝えておきたい気持ちが空回りした上に幾つかの順序を違え、自分でも予期せぬ言葉から先に口に出してしまうのだった。
「私はっ、紺野さんに対して――欲情したんですっ!」
「は……?」
流石の紺野涼でさえ、そのあられもない告白を前に、その表情を唖然と固まらせるしかなかった――。
そして、当のサラは――
「わ……ななっ……私、なにをっ!?」
その顔を一瞬にして、沈みかけた夕陽よりも真っ赤に染め上げた。
「その……ち、違うんです! 私が言いたかったのは……つまり」
サラは、取り繕おうと必死である。
すると、今度は――