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【Onlooker】~サラが見たもの~
第10章 導かれゆく、想い(こたえ)たち?
「ねえ、俊くん――私には零子さんとの間に、ある約束があるの。前に話したよね」
「ああ、それが?」
「もう、それを果たさなければならない時が来てる。でも、それって……一人ではできないことなんだ」
「つまり……俺に手を貸せとか、そういう話か?」
黒木が珍しく物わかりよくそう言ったのを聞いて、サラは浮かれた。そしてその前向きな気持ちの勢いのままに、こう告げていたのだった。
「うん――お願い!」
サラがあまりにも嬉しそうな顔をしたので、黒木の方もまんざらでもない様子となり。
「しょうがねーな。ま、俺にできることだったら」
「ホント?」
「ああ、言ってんだろ。で? その約束ってのは、なにをしたらいいんだよ?」
「それはね――」
と、その流れでサラは、その全容を明かしたのであるが――当然。
「はあっ? ふっざけんなっ! そんなこと、するわけねーだろ!」
黒木がそれに憤慨したのは、言うまでもないことだろう。
と、そんな一連の流れからの、先程のメッセージのやり取りを踏まえれば。
「はあ……」
カフェで黒木の到着を待つサラの口から、またしても深いため息が吐き出されてしまうのだった。