この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
【Onlooker】~サラが見たもの~
第10章 導かれゆく、想い(こたえ)たち?

「……」


 黒木は暫く、まるで壊れてしまいそうな、サラを見つめる。


 ブー! パッパァ――!


 背後の車列からは、けたたましいクラクションが鳴らされていた。それに黒木はようやく気づき、再度車を走らせようとする。

 その前に――


「なあ――」


 と、黒木はサラの頭を、くしゃっと撫でて。


「お前って、順序がデタラメなんだよ」

「え……?」

「なにがあった? まず、それを俺に話せよ」

「うん……」


 サラは頷くと、まずは涙を拭った。

 そうしてからサラは語る。零子との面接の時に話したのと同じように。どうして、お金が必要となりバイトを探していたのか――その理由を淡々と。

 なるべく自分の心に触れることなく、事実だけを粛々と連ねたのだ。


「……!」


 それを聞いた黒木は、思わず息を呑んで、サラを見やっていたけど。


「ホント……まいちゃうよね」


 力なくそう言ったサラは、どこか虚ろな眼差しをしている。もう涙を流すでもなくて、まるで空っぽになったみたいに只々、そこに佇んでいた。

 すなわち、その瞳をまたしても自分の心から、逸らしている。いつまでもそうできないと、そう感じてはいるのに……。


 だからこそ、サラは今、それを必要とするのだ。



/456ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ