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【Onlooker】~サラが見たもの~
第10章 導かれゆく、想い(こたえ)たち?
それを聞き届けた男は――
「……」
無言のまま、強く拳を握り、奥歯をギリギリと鳴らした。
あーあ、言っちゃった……。
咲花はそんな風に思いながら、自嘲気味な笑みを浮かべる。
そして、男は――
「オイ、こっちに来い」
部屋の片隅で震える、優男と坊主頭に声をかけた。
「ア、アニキ……お、俺たちは別に――」
「いいからっ、手を貸せっつってんだ!」
「ひっ……わ、わかりましたぁ!」
その迫力に慄きながら優男と坊主頭は、男の指示に従う。
そうして――
「アハ、なんだろうね?」
床に座ったままの咲花の周囲を、三人の男たちが取り囲んだ。その上で正面に立った男が、咲花の髪を乱暴に引きつけ、その顔を上に向ける。
「咲花――お前だって、只で済まされるとは思ってないよなぁ……」
「まあ……ね」
「上等だ」
男は薄く笑い、そして髪を掴んだのと反対の拳を大きく振りかぶった。
――ガッ!
鈍い音が、響く。