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【Onlooker】~サラが見たもの~
第11章 オンルッカー……?



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 【Onlooker】を通じて知り合い絡み合った人生なれど。今、四人は同じ場所に募りながら、やはりこの夜の光景はまた格別に異様であることに違いはなかった。

 白隅サラは黒木俊太をその相手に選び、初めての時を交わそうとしている。

 紅谷零子は自ら切り出した“約束”という名目のままに、その一部始終を目撃する構えであり。紺野涼は一人涼しげな顔で、しかしある想いを胸にこの場に居合わせていた。

 互いに感じ合えば、誰の心がどう動くのか、それは未だ不確定だ。

 そのような夜の始まりを前に、果たしてそれを誰の視点より語るべきか――語るに相応しいか考えたとするのなら、それはやはり黒木俊太であるべきだ。

 その理由なら先刻、零子の口からいみじくも説かれている。彼が「乗り越えて」みせなければ、サラは想いを遂げることができない。彼が挫けてしまえば、四人にとってのこの夜の意義は失われてしまうだろう。


「……」


 タトゥーの左手に重ねられたサラの右手は、とても小さくてそれでいて熱かった。黒木はサラの内なる温度を、先ず感じることとなった。

 黒木俊太にとって白隅サラは、愛おしい存在に違いない。もう、それは認める。言葉で伝えてはいなくても、もうその気持ちは隠せないものだから――。

 だが、その気持ちが高鳴るほどに、彼にとってのジレンマとなる。それでは如何ともし難いと感じ始めていたから、黒木は自らの傷と向き合おうと決めた。

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