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【Onlooker】~サラが見たもの~
第11章 オンルッカー……?
そうして裸になった時に――。
「――!」
黒木が意識したのは、やはりそこに注がれる視線の存在だ。言うまでもなく、それは紅谷零子と紺野涼のもの――であるが。
「……」
その意味において、黒木が強く意識せざるを得なかったのは、オンルッカーとしての零子ではなく、同じ男としての紺野の方であった。
くっ……気になるに決まってんだろ……こんなの。
黒木にとって、それは大いなるプレッシャーとなった。
もしかしたら、自分ではなくサラを抱くのは紺野であったのかもしれない。否、サラは確かにその可能性を考慮したはずだ。
だとしたら、今ここで黒木が臆した時に、それと取って代わるために、紺野はこの場に居るのではないか――?
大きな重圧は、更に深い疑念を生もうとしている。
「俊くん……?」
「あ、ああ……」
ようやく見つめ合った時、サラはフッと瞳を閉じる。しかし、それがキスを求めたものだとは気づかす、黒木はぎこちなくサラの身体をベッドに押し倒した。
くそっ……集中しろよ!
自らにそう言い聞かせながらも、未だ。黒木は、サラのことを見てはいない。