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【Onlooker】~サラが見たもの~
第11章 オンルッカー……?
外(現在を取り巻く状況)にも不安を覚えながら、内(過去の情景)にも不安を感じている。その上で白隅サラと向き合い、剰(あまつさ)え支えてやらなければならない……。
「……ッ!」
そうした最中に在って、黒木俊太という一人の青年が、まず自らの“男の証”を立てられなかったのは無理からぬところなのだろう。外見を強く、と装ってみても、実は人一倍、繊細な心を持っていた。
だから、その想いを察したであろうサラが、まず行動を示すのは必然であったのだろう。
「ね……もっと、楽に……横になって」
「なっ……お前……?」
「いいから」
黒木は、その時のサラに唖然とした。
言われたままにベッドに背を預けた自分に、その上下を入れ替え今度はサラの方が上からゆっくりと、その身を重ねてきている。
きめ細やかな肌が、まるで吸い着くように密着した。
「俊くんが……全然、私のことを見てくれないんだもん」
「は?」
思わず取った惚けたような反応に、サラの方は少し剥れ顔となる。
「そりゃあ、さ。どうせ私なんて、零子さんや咲花さんに比べたら、子供みたいな身体かもしれませんけど!」
「そ、そんなこと言ってねーよ」