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【Onlooker】~サラが見たもの~
第11章 オンルッカー……?
黒木が慌ててそう言ったのを聞き――くす――と、サラは柔らかくてそれでいて艶やかな笑みを浮かべる。そして、頬を俄かに紅く染めながら言うと――
「じゃあ、見て……そして、触れてよ」
黒木の左手を自らの小さな胸の膨らみに、じわりと押し当てた。
「よ、よせよ……」
そう言った黒木の脳裏には、チハルさんとの背徳の場面が思い浮かぶ――が。
「どうして?」
「どうしてって……お前らしくないだろ? そーゆーの……」
「うん、そうかも。でもね――これも私みたい――だから」
サラはもっと強く導いた黒木の手を、胸の弾力の中にじっくりと押し沈めていった。
その時――。
「――!」
黒木はその柔らかさの中に、早まり高鳴る、サラの鼓動を感じ取った。
それから、見つめ合い、サラが告げる。
「わかる? 私の今の……ドキドキ」
「ああ……」
すると、次にサラが黒木の胸板に触れ――
「俊くんも……スゴイよ」
と、言った。
互いの尋常ではない心音を、感触として覚え。二人はなにかを、通じ合わせたのか。
「これは、なにもいけないことじゃない――でしょ?」
「ああ、そうだな」
黒木はようやく、愛しいと思えるサラに、向き合い始めてゆく。それは同時に、自分自身と向き合う覚悟の表れでもあるのだった。
すなわち、問題はまだ、この後に――。