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【Onlooker】~サラが見たもの~
第11章 オンルッカー……?
※ ※
零子さん……?
黒木の愛撫にその身を任せながらも、サラは気づいていた。自分たちを見守っていたはずの眼差しが、今は気配を感じさせていないことを。
あ……!
零子は紺野を求めるようにして、深いキスをする。二人は着衣を乱しながら、身体を結び合おうとしていた。
その姿を見てサラは、二人はようやく向かい逢えたのだと思った……。
そうなれば、あとは自分のこと。
「うぅん……もっと……もっと、熱くして」
自分の股の間。そんな恥ずかしいところを攻める黒木の髪を両手で掴み、サラは悶えた。
昨日までの自分からは考えられないほど、淫らな自分が次から次へと顔を現そうとしているのが、わかった。
だけど、もっと――。
熱を帯びて昂らなければならないと、サラは感じながら、感じていたのだ。
オンルッカーとしての紅谷零子の眼差しは、今は既に失われている。それを媒介として、自らの姿を俯瞰していたサラは、それができなくなったことに戸惑いを覚えた。
けれど、それこそが大きな過ち……。
ようやく、そう考えるに至ったサラであるから。
そう――己の心は見るのではなく、感じてしまえばそれでよかった。
しかし゛あの日゛を境として、サラはそんな当たり前のことをしていなかったのである。
ご、ごめんね……。
その想いを正しく届けるために、サラはもっと大きな勇気を必要としているのだ。