この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
【Onlooker】~サラが見たもの~
第11章 オンルッカー……?
※ ※
幾つもの場面を振り返って、閉ざしていた心をひとつひとつ取り戻しながら――
「ああっ――!」
サラはベッドの中で、激しく乱れつつあった。
現在――自分の感覚中での、セックスという行為――それが、痛みなのか熱なのか、あるいは快感に変わりつつあるものなのか。それを表す術は、まるで見当がつかない。
只、ひとつだけ言えること――言い切れることがあるとすれば、それは――。
「んっ――ふぅ、あぁぁ!」
今、感じる、これが――至極“確かである”ということ、だった。
白隅サラは女として、黒木俊太の男を迎え尽くしている。
行く末もないほどの高まりの最中で、深く交わっていたのだ。
それを“確か”と感じることができることが、今のサラにとって何よりも大事なことなのだろう。
知らず知らず感情を殺し続け、それを他人事のように傍観してきた。しかし、たとえどんなに望まないことであっても、その際に生じた”想いたち”も大切な心の一部には違いあるまい。
だからこそ、それを失ったまま生きてみても、幸せを探すことは叶わないのだ。
サラは、ようやく全ての”想いたち”を取り戻して今、正しく自分の心の形を見据え――否、あるがままに感じていた。
そうした時、堰を切ったようにして押し寄せていたものは、当然――それは大いなる悲痛であるのは避けられないこと。
サラが受け止めずにいた故に、闇の奥深くにある”見えざる壁”に幾重にも反射し増幅し続けたその塊は、“受け止めてあげられなかった”というサラの自責に合わさると、途方もない怨念に成り代ろうとしていたのである。
だから――