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【Onlooker】~サラが見たもの~
第2章 ラブリーな、彼女?
同じく零子の方を振り返り、イケメンさんが言う。
「彼女、新人さん?」
「ええ、そうだけど」
「やっぱり。そう思ったから、ちょっと初対面の挨拶をね」
「ふーん……それにしては、随分と親密すぎないかしら」
一連のもののいい様に、若干のピリリとした空気を察知。サラは素早くイケメンさん懐を飛び出すと、零子の元へ駆け寄った。
「あの、この方は?」
「ウチのクライアントよ」
「えっ?」
零子の言葉に驚き、再びエレベーターの中に視線を移す――と。
「お嬢さん、またね」
イケメンさんがにっこりとほほ笑みそう告げたと同時に、エレベーターの扉は閉じた。
呆然とその去り際を見送って、やや間があり。
「社長、どうしたんすか?」
事務所の方から顔を覗かせた黒木の言葉が、サラには少し間が抜けて聴こえていた。