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【Onlooker】~サラが見たもの~
第2章 ラブリーな、彼女?
そう言えば前回は零子と一緒という事情から、事前には一切クライアントのことを聞かされていなかったが。今日から一人であるなら、当然ある程度の情報は得ておきたいところであるが。
しかしながら、黒木から明かされた話の向きは、やや想定外のものになろうとしていた。
「ヤマダさん(仮名)っていってな。割とウチでは常連なんだが、ちょっと特殊な客らしい。まあ、俺は当然、実際にソレを見たわけじゃないが」
「ソレ……?」
「ああ、まあ……なんつーか」
黒木はそう口ごもりながら、金色に染まった後頭部を左手で掻いた。そうしてから――
「お前さ。〇〇〇〇〇って知ってる?」
「は?」
およそ聞き覚えのないその言葉に、サラはポカンと間の抜けた顔を見せた。