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第2章 ラブリーな、彼女？

「ああ、なるほど」


　一応は、そんなことにも配慮してくれてるようだ。


「客に関しては社長の方で事前にチェックが入ってるから。まあ、滅多なことはねーと思うけどな」

「はあ……」


　そんな黒木とのやり取りを思い返す一方で、今日から一人なんだと実感し、サラは背筋の辺りをぴりりと緊張させる。今、部屋に自分を迎えようとするヤマダの姿を、改めて眺めた。

　年齢は三十代後半くらい？　――と見えるが、実際はもっと若いのかもしれない、と思い直している。額がやや広く禿げあがってきていて、その印象からやや老けて見てしまっているようであり。

　顔つきを良く伺えば、青年ぽさを残しているようにも見えなくはない。黒縁の眼鏡越しの視線は相変わらず暗く、人付き合いは苦手そうなタイプに思えた。

　まあ、ともかく――。


「じゃあな、しっかりやれよ」


　小声でそう耳打ちした黒木に背中を押され、サラは男の部屋に入って行くのだった。