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【Onlooker】~サラが見たもの~
第2章 ラブリーな、彼女?

    ※    ※



 ヤマダの後に続き、サラはそろりと部屋の中へ。


「……」


 何気に周囲を見渡す。外観から想像するより、室内は広々と綺麗に感じた。

 リビングのフローリングの床の表面は艶々と光沢も良く、本棚にはサイズが揃えられた蔵書が直線的に並べられている。全体的にシンプルに、整理整頓の行き届いた部屋。


 几帳面な人、なんだ。


 それは、サラがこの部屋から受けた、男の印象だ。少なくとも汚くしてるよりは、やはり好印象に感じている。しかし、それとは別に――。


「そんなにキョロキョロと――なにか、変に思うことでもあったのか?」


 いきなりヤマダからそう問われて、サラは焦る。

 別に変だなんて思ってはいない、けれど。どうして自分がこんなにも、違和感を覚えているのか、その理由を見つけることができずにいた。

 しかし、それは程なく明らかになる。


「アンタはどうやら新人らしいが、自分の仕事の内容くらいは、ちゃんと承知してくれてるんだろうね?」

「ええ……それは、もちろんです」

「だったら、すぐに始めさせてもらう。こっちへ来てくれ」

「あ、はい」


 ヤマダに手招きされ、サラが向かっているのは、どうやら寝室。ついに、初仕事が始まるんだとそう感じて、サラは緊張を高めた。そうして、寝室に入る直前のことだ。


 あれ? そういえば、相手の人は……?


 サラは自らが覚えていた、その違和感の正体に気がついていた。

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