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【Onlooker】~サラが見たもの~
第2章 ラブリーな、彼女?
サラは自分が見せられているものに、今一つ実感が持てずにいた。これは果たしてセックスと呼べるのだろうか。思わずそんな疑問を抱いてしまう。
明らかに自分の知らなかった世界が目の前にあり、だからこそ異空間に迷い込んだような疎外感を拭い去れない。
ともかく、そうして――。
「ああ、エリー……」
男とラブドールとの、疑似性交は始められていった。大人しく仰向けになったエリーの上に、四肢をついたヤマダが覆い被さってゆく。
なにかを喋り出しそうに、やや開いた上品な唇――それを、ヤマダが塞いだ。求めるのではなくて窺いを立てるような、それは優しいキス。
焦がれるようにそれを繰り返したヤマダは、そっと顔を話しエリーの顔を愛おしげに見下ろした。
そうしてから、不意にヤマダがサラをじろりと見やる。
「な、なにか……?」
なんとなく、そんな伺いを立てるが――
「……」
ヤマダは気に入らなそうに、フンと無言で顔を背けただけ。
すると、引き続き――
「さあ、エリー――いいね?」
ヤマダは、優しい口調でその意志を確認する。もちろん、彼女からの返事はない。しかし、じっと見つめ合うこと数秒、ヤマダの手がエリーの衣服を脱がせ始めたのだ。