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【Onlooker】~サラが見たもの~
第2章 ラブリーな、彼女?

    ※    ※



 それから、一時間後――。


「……」


 サラは【Onlooker】の事務所に戻ると、今は社長室のソファーに佇む。俯き口を噤んだその様子は、どうやら酷く落ち込んでいるようだ。


「どうしたのかしら、サラちゃん。随分と、元気がないみたいだけど」


 面接の時と同様に向い合せに座り、零子は微笑を浮かべ声をかける。


「だって……初めてのお仕事で、いきなりキャンセルだなんて……すみません」


 サラは申し訳なさそうに、頭を下げた。その言葉通り、サラは初仕事をやり遂げる前に、ヤマダからキャンセルを受けてしまっている。


「そんなに気にしなくても、いいのよ。それよりも――」

「?」

「あの、ヤマダさんのこと。サラちゃんは正直、どう思ったのかしら?」

「どうって?」

「いくら綺麗なお人形でも、それは男の人の性処理を目的としている。そんな彼のこと、気持ち悪いと感じたんじゃなくて?」

「いえ、そんな。私は、そんな風には思いませんでした」


 サラはキッパリと否定している。


「それは、どうして?」

「だって、『エリーさん』――本当に綺麗だったし」


 そう語り始めたサラを、頬杖をついた零子が見守る。

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