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【Onlooker】~サラが見たもの~
第2章 ラブリーな、彼女?

    ※    ※



「ま、座ってくれ」


 と、ヤマダに言われ。


「あ、はい……?」


 おずおずと腰を下ろしたのは、リビングのソファーだった。それとテーブルを挟んだ向かい側には、ヤマダと、その傍らに寄り添うようなエリーの姿も――ある。

 サラを部屋に招き入れたヤマダは、なにやら話しを始めようとしていた。しかし、なにかを躊躇うようにして、なかなか話を切り出そうとはしない。

 その様子を踏まえ、先に口を開いたのはサラの方であった。


「あの、この間は……すみませんでした」

「んん?」

「いえ……私、まだオンルッカーとして未熟だから。ちゃんと『お二人』のこと、見て差し上げることが、できませんでした」


 申し訳なさそうに、そう告げたサラだが。


「この前のキャンセルは、こっちの勝手でしたこと。別に、君が気に病むことじゃない」

「だけど、それは私が……ヤマダさんの要望に沿えなかったからで」

「ああ、それなら、もういいんだ」


 ヤマダは少し苛立つようにして、サラの言葉を遮った。そうして、小さくため息を吐く。


「今日、あえて指名したのは、そんな君だからこそ、相応しいと考えたからなんだ」

「?」


 その意図を訊ねるように不思議そうに見返すサラに、ヤマダは改まったように言った。


「俺とエリーの最期の時を――どうか、見届けてやってもらいたい」

「えっ……」


 サラはキョトンとして、ヤマダとその傍らに控えるエリーの顔を見やった。


「最期って……どういう意味ですか?」


 その問いを受け止めて暫く、ヤマダは重い口を開くようにして、こう話した。


「エリーには、里帰りをさせようと思っている」


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