この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
【Onlooker】~サラが見たもの~
第2章 ラブリーな、彼女?
※ ※
「ま、座ってくれ」
と、ヤマダに言われ。
「あ、はい……?」
おずおずと腰を下ろしたのは、リビングのソファーだった。それとテーブルを挟んだ向かい側には、ヤマダと、その傍らに寄り添うようなエリーの姿も――ある。
サラを部屋に招き入れたヤマダは、なにやら話しを始めようとしていた。しかし、なにかを躊躇うようにして、なかなか話を切り出そうとはしない。
その様子を踏まえ、先に口を開いたのはサラの方であった。
「あの、この間は……すみませんでした」
「んん?」
「いえ……私、まだオンルッカーとして未熟だから。ちゃんと『お二人』のこと、見て差し上げることが、できませんでした」
申し訳なさそうに、そう告げたサラだが。
「この前のキャンセルは、こっちの勝手でしたこと。別に、君が気に病むことじゃない」
「だけど、それは私が……ヤマダさんの要望に沿えなかったからで」
「ああ、それなら、もういいんだ」
ヤマダは少し苛立つようにして、サラの言葉を遮った。そうして、小さくため息を吐く。
「今日、あえて指名したのは、そんな君だからこそ、相応しいと考えたからなんだ」
「?」
その意図を訊ねるように不思議そうに見返すサラに、ヤマダは改まったように言った。
「俺とエリーの最期の時を――どうか、見届けてやってもらいたい」
「えっ……」
サラはキョトンとして、ヤマダとその傍らに控えるエリーの顔を見やった。
「最期って……どういう意味ですか?」
その問いを受け止めて暫く、ヤマダは重い口を開くようにして、こう話した。
「エリーには、里帰りをさせようと思っている」