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【Onlooker】~サラが見たもの~
第3章 イケナイ、男(ひと)?

 それにしてもそんな人物が、何故オンルッカーの常連であるのか?


「あの、零子さん……ひとつ伺ってもいいでしょうか」

「あら、なぁに?」

「零子さんは、その紺野さんと――お知り合いなんですか?」

「お知り合い?」

「あ、いえ……単にウチのクライアントということではなくて。この前も、直接に事務所を訪ねていたりしたものだから」


 その時の他では見せない零子の態度も合わせ、サラはその点が気になっていた。しかし――それに対し、零子は口元に笑みを浮かべた。


「そうね、知り合い……そのくらいで、丁度……」

「零子さん……?」

「ううん、なんでもないわ。そうね。彼とはオンルッカーを始める前からの知人。そんな縁もあって、今でもオンルッカーを利用してくれているの」


 零子の態度を不思議に思いながらも、サラはそれ以上踏み込んで聞くのを止めた。


「じゃあ、改めて確認するけれど。サラちゃんが、紺野さんの担当でよくって?」

「は、はい。私でよろしければ」


 サラは少し緊張気味に、そう答えた。

 期待、不安、それ以外のよくわからない想い。その内心には様々な思いが混在する。しかし、イケメンさん――紺野涼から自分を求めてくれたのなら、やはりそれには応えたいという気持ちが強く芽生えた。

 自分が抱きつつある淡い気持ち、それが一瞬にしてバラバラに砕けてしまうかもしれない。が、それでも――。


「わかったわ。じゃあ、お願いね」

「はい」

「あ、そうそう。そらなら、ひとつ私から注意事項を」

「え?」


 その後――サラは零子から、なにやら言い含められていた。

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