この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
【Onlooker】~サラが見たもの~
第3章 イケナイ、男(ひと)?
※ ※
高級ホテルの部屋はとても広々として、シックで上品な内装。そんな雰囲気が、まずサラを圧倒してゆく。
「うわぁ……」
思わず感嘆の声を洩らした。サラのみたいなごく普通の女の子にしてみれば、その部屋がどの様なランクであるのかすら想像に難しいのだった。
そんなサラを、紺野はソファーへ座るように促す。
「どうぞ、こちらへ――ドリンクは、なにがお好み?」
「あ、いえいえ……私になんて、どうかお構いなく」
「どうして?」
「だって、私……お客では、ありませんし」
サラが緊張気味にそう言うのを見て、紺野がふっと柔らかな笑みを零した。
「お嬢さんは、とても律儀な子――なんだね」
面と向かってそう褒められ、サラは頬がかあっと熱くなるのを実感している。
「そ、そんなっ……わ、私……お嬢さん、とか、そんな柄じゃなくって……」
モジモジと立ち竦みながら、自分がなにを言ってるのかすらサラはよくわからくなってくる。
「そうか。まだ、お名前を聞いてなかったんだね。よかったら、僕に教えてくれない?」
「ええ、あ、はい――白隅サラと申します!」
サラは、きっぱりと名乗っていた。