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【Onlooker】~サラが見たもの~
第3章 イケナイ、男(ひと)?

 本来であるなら、オンルッカーとして客前で本名を名乗るべきではなかろう。が、今のサラにその様な判断は求めるべくもない。もう既に、かなり舞い上がってしまっているのだ。

 その名を聞いた紺野は――


「サラさん、か――うん、とてもいい。お嬢さんのイメージに、ピッタリだね」


 そう話しながら、サラの目の前に立った。

 優しい笑顔――それを一心に見つめる、サラは――。


「そんなこと……だけど、そんな風に言われたら……私、嬉しいです」


 そのおめでたい視界の中には、キラキラとしたお星さまの装飾が散りばめられている。まさに夢見心地だった。

 そんな脳天気なサラにしてみれば、自分がこの部屋になにをしに来たのかさえ忘れ去っていたのかもしれない。でも――

 カチャ――。

 そんなサラに現実を突き付けようとしたのは、バスルームから出てきた人物。薄らと一様に綺麗な日焼けをした小麦色肌に、バスタオル一枚を撒きつけていた。

 その彼女は――


「あれぇ――来たの?」


 実にあっけらかんとして、サラの前に表れている。

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