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【Onlooker】~サラが見たもの~
第3章 イケナイ、男(ひと)?
「は?」
突然なにを言われたのかと、サラはキョトンとした。その「ヘンタイ」というのが、まさか自分のことを差しているとは夢にも思ってはいなかったのであるが……。
女は楽しげにしながら、今度はご丁寧にサラを指差して、こう話した。
「だって、人のセックスを見るのが仕事とかぁ? なんかさぁ。なにも知りませんって顔してるクセして、やってることは割と下衆の極みってゆーか?」
「なっ……」
サラは激しく、その感情を揺さぶられていた。
零子とも知り合いだから、オンルッカーのことも何やら訳知り顔だが。それにしても、初対面でこの言い様は、如何なものかと憤慨する。
少し年上だろうけど、たぶんほんの二つか三つの歳の差だろう。それなのにこんなに上からものを言われれば、面白いわけがないのだ。
それに加え言われた内容以上に、この彼女は人を見下すような雰囲気を有している。
こんな女(ひと)が、イケメンさんの相手――?
これから、その情交を見せられることを思えば、またしても只ならぬ感情が頭を擡げようとするのだった。
と、そんな二人の醸し出す空気を、知ってか知らずか――。
「どうも、お待たせ」
バスルームから、バスローブを羽織った紺野がその姿を現した。