この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
【Onlooker】~サラが見たもの~
第3章 イケナイ、男(ひと)?
「じゃあ、始めさせてもらっても――いい?」
紺野涼に言われた。
「……」
でも、サラはやや呆然としたまま、それに返事を返すことができずにいて。
だから紺野は、もう一度――言う。
「僕のこと、見ていてくれるんだよね――お嬢さん?」
「は、はいっ!」
サラは慌てて、返事をした。
そう――自分はオンルッカー。他人のセックスを見るのが仕事。
イケメンさんは、どうして? ――とか。
その女の人は、恋人なの? ――とか。
それら脳裏に浮かべた疑問に、答えを求めようなんて考えるべきではなかった。
サラだって、もちろん理屈ではわかっている。なのに、どうしてこんなにも胸の中がモヤモヤしてしまうのか……。
オンルッカーとして、それ以前に――サラは自分の心が、未だ見通せなかった。