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隷吏たちのるつぼ
第5章  第四章 口開く陥穽



 駐車場で尊厳を脅かした征四郎は、立ち上がることのできない悠香梨の髪をとらえ、うわ向かせた。

「青姦生ハメでイクわ、ケツからぶちまけるわはいいんだけどよ。デッカい声出すんじゃねえよ。誰か来たら聞こえちまうぜ? そら、もっかいだよ」

 貶しつつも興奮で上ずった声で言い、崩落したばかりの皺口へ、再び嘴管を差し込んでくる。

「っく……! も、もういや……。許して」
「あ? 許して?」
「ゆっ、許して、ください。お、お願い……」

 流れ込んでくる薬液から逃れるように、溝を跨いだまま中腰で前へ進む。車のバンパーに手を付こうとしたら、その手首がとらえられ、管を抜き取った皺口を自ら抑えさせられた。

「ヤだね。自分でケツ塞いでろっ」
「や、……あ、あぁ……」

 すぐに噴流が直前まで迫り、塞いだ指を絶対に外すことができなくなった。そのまま助手席へ押し込められる。征四郎の運転で駐車場を後にした。

 街中を走り出すと、コンビニが何軒も見えた。敬語で停車を願ったが、減速なく通過される。運転がうまくないのか……いや、きっとわざとだ、乱暴なアクセルワークによる慣性が腹に響いた。

(ううあっ……)

 便意の周期が一定まで短かまって、轟きのことしか考えられなくなった悠香梨は、不意に頭を小突かれた。虚ろな瞳で見上げるとドアが開かれている。気づかぬうちに、目的地へ到着していたらしかった。

 二の腕を引かれて降ろされる。半地下の駐車場。誰もいない。だからといって、ワンピースをたくしあげて中へ手を突っ込まなければならないから、素脚が丸出し、ヒップの割れ目を押さえたまま背を丸めて歩かされるのは、ことごとく屈辱で、惨めだった。

「こ、ここ……、どこ?」

 裏口らしかるドアを入ってすぐのエレベーターは一機のみ。ボタンは一階と最上階しかない。

「俺ん家だよ。まだぶちまけんなよ? やったらぶっ殺すかんな」
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