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隷吏たちのるつぼ
第6章  第五章 誨淫の舎
「ああん……、いやっ」

 あとほんの少しだった。智咲は土汚れた鞭を拾い上げようと屈んだ。自分の手でもう一度、尻尾を生やすのだ。

 だが、地面に伸びた鞭を征四郎が手繰り寄せた。柄の消えていった方向へ顔を向けると、まさに、持ち手をしっかり握った征四郎が、腕を振り上げたところだった。

「あがっ!」

 ヒップが真っ二つになり、内ももを何条もの流れが舐めていった。体を千切られた血潮かと思ったが違った。液汁の通った跡がヒリつく。やがて流れは勢いを増して地面を直接叩いた。

「……イッちゃうっ!」

 ちがう、イかせていただきます、と言い直すべきだ、と息を吸ったが、吐き出した時には高い悲鳴となった。体には何も埋められていない。擦られてもいない。失禁だけで絶頂する高みは、智咲へ意味の通じぬ言葉を舌足らずに叫ばせた。





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