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隷吏たちのるつぼ
第6章 第五章 誨淫の舎

8
内ももをぴったりと閉じ合わせ、脚を折って力を集中させても、じっとしていることができなかった。下着の中に、一つひり出してしまった珠の異物感がある。もうこれ以上、脱栓してしまうわけにはいかない。
凌辱を受けるならまだしも、闇の中で孤独に転がっていると、気の紛れる何事もなく、高波がひとえに下腹を襲ってくる。しかも、波長はだんだんと短かまっていた。
「ハメまくってっ!」
悶絶するあまり、叫びが悠香梨の耳に届いたのは突然だった。
征四郎ではなく、女の声。扉が開く。舌足らずに甘えている。ギシリと木材が軋み、頭上から衣擦れが聞こえた。
(そんなっ)
征四郎は別の誰かを姦している。自分をこんな状態で放置しておきながら。……オクチ。口交を強いる余裕まで見せている。
肉壺をあんなにかき回してくれた牡茎を、誰かが……別の誰かが貪婪にしゃぶる音を聞かされ、悠香梨は目隠しをしているのに固く瞼を閉じて、無念と焦燥の混ざった呻きが漏れないよう唇を結んでいた。
「智咲、俺のチ×ポ、好きか?」
(……も、本山ちゃん……!?)
征四郎の口にした名を聞いて愕然とする。普段話している時の清淑さからは考えられなかったが、耳を澄ますと確かに、声の主は智咲に間違いなかった。
「日下さんよりも、気持ちいいですか?」
懸けまくもかしこみ伺っている。ドサリ、と近くに何か落ちた。ぶつかり合って肌が鳴る。悦びの叫びをあげている。
智咲は知っていたのだ、すべて。
征四郎にこうやって穿ち回されながら、自分が穢身へ堕とされていくあいだ、何をされ、何をしてきたか、智咲は何もかも承知していたのだ。昨日、お互いの男を紹介しあって、何事もないように振舞ってみせたときにはもう、すでに……。
「……日下さんっ!」
「ううっ……、あああっ!」
悠香梨は珠をもう一つ、ショーツの中へと吐き出してしまった。
──二人きりの逢瀬を謳歌しているものだとばかり思っていたのに、妬んでやまなかった同期の女が、机の下に隠れていた。
「ど、どうして……」
智咲が驚懼とも非難ともつかぬ眼差しで振り返ると、征四郎は今までで最も冷虐な笑みを浮かべていた。
内ももをぴったりと閉じ合わせ、脚を折って力を集中させても、じっとしていることができなかった。下着の中に、一つひり出してしまった珠の異物感がある。もうこれ以上、脱栓してしまうわけにはいかない。
凌辱を受けるならまだしも、闇の中で孤独に転がっていると、気の紛れる何事もなく、高波がひとえに下腹を襲ってくる。しかも、波長はだんだんと短かまっていた。
「ハメまくってっ!」
悶絶するあまり、叫びが悠香梨の耳に届いたのは突然だった。
征四郎ではなく、女の声。扉が開く。舌足らずに甘えている。ギシリと木材が軋み、頭上から衣擦れが聞こえた。
(そんなっ)
征四郎は別の誰かを姦している。自分をこんな状態で放置しておきながら。……オクチ。口交を強いる余裕まで見せている。
肉壺をあんなにかき回してくれた牡茎を、誰かが……別の誰かが貪婪にしゃぶる音を聞かされ、悠香梨は目隠しをしているのに固く瞼を閉じて、無念と焦燥の混ざった呻きが漏れないよう唇を結んでいた。
「智咲、俺のチ×ポ、好きか?」
(……も、本山ちゃん……!?)
征四郎の口にした名を聞いて愕然とする。普段話している時の清淑さからは考えられなかったが、耳を澄ますと確かに、声の主は智咲に間違いなかった。
「日下さんよりも、気持ちいいですか?」
懸けまくもかしこみ伺っている。ドサリ、と近くに何か落ちた。ぶつかり合って肌が鳴る。悦びの叫びをあげている。
智咲は知っていたのだ、すべて。
征四郎にこうやって穿ち回されながら、自分が穢身へ堕とされていくあいだ、何をされ、何をしてきたか、智咲は何もかも承知していたのだ。昨日、お互いの男を紹介しあって、何事もないように振舞ってみせたときにはもう、すでに……。
「……日下さんっ!」
「ううっ……、あああっ!」
悠香梨は珠をもう一つ、ショーツの中へと吐き出してしまった。
──二人きりの逢瀬を謳歌しているものだとばかり思っていたのに、妬んでやまなかった同期の女が、机の下に隠れていた。
「ど、どうして……」
智咲が驚懼とも非難ともつかぬ眼差しで振り返ると、征四郎は今までで最も冷虐な笑みを浮かべていた。

