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隷吏たちのるつぼ
第1章 プロローグ
もっとも、年数だけが理由ではない。萌子が実家を離れ、隣県の国立大学に通っている間に建ったこの施設は、県下の小学校が校外学習に使うために建設されたものだ。しかし実態は、年に数回、市下の学校が使用しているにすぎない。当初の目論見がどうだったかは知らないが、明らかに、使われなさすぎの「ムダ施設」としか言いようがなかった。
「ここだから大丈夫なんだよ。エッチになっちゃおう、ね?」
頬へ手を添えられて、横を向かされる。
「んっく……」
可憐な顔が近づき、唇が押し当てられた。
繊麗な舌が絡みついてくる。
萌子はこの四月に市職員に採用された。大学で単位を取って学芸員資格を得たが、無いよりはあったほうがマシだろうと思って取得しただけであって、特にこれを活かした職を希望したわけではなかった。
そもそもの学芸員としての職員募集は数が少なく、ゼロという年も珍しくはない。あったとしても申込者が殺到するし、当然ながら臨職経験者が有利で、萌子のように新卒未経験で正規職員に採用されることは極めて稀だった。
受けるだけ受けてみろ、という父親の勧めに乗って採用試験を受けてみたら合格した。父親も市職員だが、とても出世コースに乗っているとは言えない。だからコネが利いたとは思えない。
もしやこの、密かに自信のあるFカップが物を言ったのかな?
そんな空想でもしなければ納得できないほどだったが、とにかく、採用されたのは儲け物。深く考えず、幸運にもなることができた市職員を、粛然と務めていくつもりだった。
だが、そのバストが今まで触れさせてきたどんな男よりも繊細な手遣いで、どんどん性感を煽られていた。
「うんっ、……はあっ」
先輩は耳朶からぶら下がるピアスを揺らし、あどけない声を漏らしてキスを続けていた。豊かな膨らみを指先で攻めつつ、舌縁をなぞり、唇端から溢れた唾液を夢中で啜っている。
(お、女の子が好きだったんだ、先輩)
いや──淫蕩しているのは、先輩だけではない。
(なんでみんな……)
大レクリエーション室は子供達が凧作りを習ったり、老人とケン玉やお手玉で遊ぶのに使用される場所だ。多勢収容できる。だが今は十人ほどの大人だけだった。それも女ばかり。
「ここだから大丈夫なんだよ。エッチになっちゃおう、ね?」
頬へ手を添えられて、横を向かされる。
「んっく……」
可憐な顔が近づき、唇が押し当てられた。
繊麗な舌が絡みついてくる。
萌子はこの四月に市職員に採用された。大学で単位を取って学芸員資格を得たが、無いよりはあったほうがマシだろうと思って取得しただけであって、特にこれを活かした職を希望したわけではなかった。
そもそもの学芸員としての職員募集は数が少なく、ゼロという年も珍しくはない。あったとしても申込者が殺到するし、当然ながら臨職経験者が有利で、萌子のように新卒未経験で正規職員に採用されることは極めて稀だった。
受けるだけ受けてみろ、という父親の勧めに乗って採用試験を受けてみたら合格した。父親も市職員だが、とても出世コースに乗っているとは言えない。だからコネが利いたとは思えない。
もしやこの、密かに自信のあるFカップが物を言ったのかな?
そんな空想でもしなければ納得できないほどだったが、とにかく、採用されたのは儲け物。深く考えず、幸運にもなることができた市職員を、粛然と務めていくつもりだった。
だが、そのバストが今まで触れさせてきたどんな男よりも繊細な手遣いで、どんどん性感を煽られていた。
「うんっ、……はあっ」
先輩は耳朶からぶら下がるピアスを揺らし、あどけない声を漏らしてキスを続けていた。豊かな膨らみを指先で攻めつつ、舌縁をなぞり、唇端から溢れた唾液を夢中で啜っている。
(お、女の子が好きだったんだ、先輩)
いや──淫蕩しているのは、先輩だけではない。
(なんでみんな……)
大レクリエーション室は子供達が凧作りを習ったり、老人とケン玉やお手玉で遊ぶのに使用される場所だ。多勢収容できる。だが今は十人ほどの大人だけだった。それも女ばかり。