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隷吏たちのるつぼ
第3章  第二章 遅れた服罪
 しかし征四郎は聞き入れてくれず、いとけない牝花を開かせてきた。はみ出させた左右の花弁の周縁を不躾な指先でなぞられると、その度に腰が慄き、未開の入口が引き攣る。

「うあっ」

 溜めた唾が垂らされ、花冠へと塗り広げつつ、指先が徐々に中心へ迫ってきた。

「お、まだ狭えな」
「やっ、本当に、お願いですから……」
「マジで、まだ誰も突っ込んでないようだなぁ? キレイに残ってら」

 征四郎は指を強く押し当てて大きくこじ開けると、行き先を狭める色素の淡い襞をみつけ、クルリ、クルリと侵入口を確保していった。

「ああ……、うっ、ま、まって、……まって」

 純潔の証を超えて指先が入ってきた。
 膜が傷つけられ、体の内側を抉られる恐怖に、背中がフッと冷たくなった。開扉された一点からチョロっと噴水が上がる。

「おいおい、汚ねえなぁ。オモラシしてんじゃねぇよ」

 小水をかけられても、征四郎は指を引き抜かなかった。間近で見られた恥辱で耳先まで真っ赤にした智咲だったが、指がもう一段階進んでくると、また迸りそうになる排泄を、奥歯を噛んでこらえた。

「おお、奥まで狭いな……。こりゃキモチよさそうだぜ」

 唾液を潤滑液代わりに、円弧を描いて奥地を探索していた指が引いていった。次に入ってくるのはきっと──鉛色の肉槍が頭を過ぎる。智咲は固く目を閉じた。

 しかし、ズズズッと畳を何かが引きずられ、その後、ズンッという大きな音がした。

 驚いて正体を確かめようとした智咲の体が、急に宙に浮いた。背と膝裏に腕を差し込まれ持ち上げられていた。畳を見ると、音の正体は酒宴で使われていた座卓が中央まで引き出され、裏返されたものだった。

 敷布団を乗せた天板の裏面へと降ろされる。

「なにを……」
「大人しくしろ。また張り飛ばされたくないだろ?」

 耳元で凄まれて、後手を解かれても抵抗を試みることはできなかった。一旦は自由になった手が、座卓の太足へ、しっかりと括られる。そして足首も引かれた。智咲は意図を察したものの、征四郎が平手を振り上げる真似をすると、短い悲鳴を上げて、脚を伸ばしていった。
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