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隷吏たちのるつぼ
第3章  第二章 遅れた服罪
「静かにしろよ。風俗で働いてたくせに」
「な……、え」

 何を言われたのか、平手打ちのショックから立ち直っていない智咲は、すぐには理解できなかった。

「学生時代にオナクラで働いてたなんて知られたら、役所で問題になるかもしれねえぜ? そうじゃなくても、色々ウワサが立っちまうだろうなぁ。お前らの『不祥事』を見張ってる奴らなんざ、ゴマンといるんだ」
「ど、どうして……」

 目を覚ますまで、鮮やかに蘇っていた記憶──

「どうして?」
 ニヤリとした征四郎は膝立ちになった。「何発もシコシコしてくれたじゃねえか。フェラ、っつーか、イラマチオまでしてくれてよお」

 智咲は暴行の主を見上げた。

 胸板から下り、ももから上って下腹に凝集する剛毛。不摂生に弛んだ腹回り。醜い体躯の中央で、幹に怒張を蔓らせ、鈍色に屹立する邪淫の象り。

 ティアドロップサングラスを、頭の中で征四郎の顔に掲げた。

「……ううっ!」

 絶句した智咲の脚の付け根が掴まれ、下肢を覆っていたストッキングが引き裂かれた。収縮した裂け目からショーツがあらわになる。ショックで力を失った脚が割られ、秘境の間近までやすやすと顔が迫る。

「くくく……、あれからちゃんと経験できたか?」
 クロッチ布を視線が貫いてくるかのようだった。「調べてやるぜ? お嬢様」

 縁へ指が入り込み、

「い、いや。お、おねがいです……」
「オケケの手入れは怠っていないようだなぁ。さすがお嬢様」

 少しショーツが脇へ引かれると、斑目のない肌に整然と生いた和毛が漏れ出た。

「う、あ……」
「よくもあん時はヌードNGにしてくれたよなぁ。……そぅら、よっ!」

 更に引かれ、布地が中心から剥がされる。

「おーっ!」

 揶揄ではない、やたら無邪気な、しかし下卑な歓声が聞こえてきた。恥丘に吐息を浴び、顔の近さをまざまざと知らされる。

「み……、見ないでよお……」

 手で隠したい。秘所も顔も、両方。
 しかし腕は全く動かせない。

「色も形もキレイだし、こりゃ全く使ってねえよなあ?」
「あうっ……、も、もうイヤ……、ヤダぁっ……、見ないで……」

 花唇の細部まで視線を浴び、たまらず智咲は鼻を啜って嘆願した。
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