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隷吏たちのるつぼ
第2章  第一章 醒めゆく悪夢
 智咲は至って真剣だったが、とにかく親の敷くレールを脱線したいというのが発想の源であったし、ツアコンの夢は小学生の女の子が語るような、憧れに毛が生えた程度の曖昧なものだったから、周囲が就職活動を始める頃になると焦りが生じた。このままでは確実に父の思い通りの人生を歩まされることになる。もっと本気の、反抗が必要だった。

 父が何故、自分をこうも見下しているかというと、「女は自立することはできないし、男がいればその必要もない」という、教師にあるまじき差別観があるのだと思った。

 父の庇護がなくとも、そして男の庇護がなくとも、生きていける女にならなければいけない。
 そう考えて、公務員という道を選んだ。

 智咲の学部では専門職は難しく、一般事務を選ばざるを得ない。そして競争率の高い一般職試験を突破するためには、独学では厳しい。どんな参考サイトで調べても、専門学校での対策講座の受講を勧めていた。当然、しっかりとした講座は高額だ。

 智咲は大学に入ってからも母親から毎月小遣いを貰っていたし、洋服や装飾品、化粧道具を買う時には、別途与えられていた。だからアルバイトをしていなかった。

 いつものように、母に頼めばヒョイと出してくれるだろうか?
 いくらおっとりとして浮世離れしたところがある母でも、父に相談するだろう。ねだる金額の多寡ではなく、智咲が公務員を目指していることについて。

 反対されることは目に見えている。
 親に秘密で、短期間で金を用意する必要があった。





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