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閉じ込められた部屋で夫は
第4章 出会い ~回想~
~友貴子side~
1.
「ねぇ、大丈夫?」
先輩の佐藤涼子(さとうりょうこ)が心配そうに話しかけてきた。友貴子が仕事で参っているのは端から見ても明らかだったからだ。
「大丈夫です!ガッツありますよ、私」
友貴子は力こぶを作って見せて微笑んだ。疲れたときこそ空元気、周囲に心配をかけてはならないというのが友貴子のポリシーでもあった。
「そうかなぁ……ま、なんかあったら声かけてね」
涼子が友貴子の机から去っていく。それを見送り、デスクのパソコンと向き合う。そこには投げ出したくなるような現実が映されていた。
(またか……)
メールには研究所からの理解しがたい要望。
「方向性を再検討したいので、プロジェクトをいったんストップしてほしい。会議も開きたいのでスケジュール調整を求む」
内容はそんなところだ。そして、再検討はこれで三度目になる。友貴子は頭を抱えた。
1.
「ねぇ、大丈夫?」
先輩の佐藤涼子(さとうりょうこ)が心配そうに話しかけてきた。友貴子が仕事で参っているのは端から見ても明らかだったからだ。
「大丈夫です!ガッツありますよ、私」
友貴子は力こぶを作って見せて微笑んだ。疲れたときこそ空元気、周囲に心配をかけてはならないというのが友貴子のポリシーでもあった。
「そうかなぁ……ま、なんかあったら声かけてね」
涼子が友貴子の机から去っていく。それを見送り、デスクのパソコンと向き合う。そこには投げ出したくなるような現実が映されていた。
(またか……)
メールには研究所からの理解しがたい要望。
「方向性を再検討したいので、プロジェクトをいったんストップしてほしい。会議も開きたいのでスケジュール調整を求む」
内容はそんなところだ。そして、再検討はこれで三度目になる。友貴子は頭を抱えた。