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閉じ込められた部屋で夫は
第4章 出会い ~回想~
友貴子の会社は某大手工業メーカー。ロボット製作でのしあがった企業である。友貴子が任されているのは、とあるロボットプロジェクトのコンペで、社内的にもかなり力を入れていた。
入社2年目の友貴子がこのプロジェクトに抜擢されたのは、友貴子の真面目さを評価されてのことだった。それだけに、周囲の期待を裏切りたくなく、必死に仕事をこなしていた。
友貴子は頬をパチパチ叩き、気合いを入れて共同開発をしている研究所に電話を掛ける。メールの送り主との直接対決だ。
「お忙しいところ、申し訳ありません。小山内です」
「本当に忙しいんだけど、何?用件はメールで伝えたはずだけど」
電話の相手は研究主任の牟田織江(むたおりえ)だ。研究所のイニシアチブをとるこの女性こそが、友貴子の最大の障害であった。
「あの、再検討したいとのことですが、率直に言いますと、メールからではその必要性が読み取れませんでした。そこで……」
「メールに必要性を書いてないもの。分かるわけないでしょ」
取りつく島もない。牟田主任が完全に友貴子を敵視しているのは明らかだった。
入社2年目の友貴子がこのプロジェクトに抜擢されたのは、友貴子の真面目さを評価されてのことだった。それだけに、周囲の期待を裏切りたくなく、必死に仕事をこなしていた。
友貴子は頬をパチパチ叩き、気合いを入れて共同開発をしている研究所に電話を掛ける。メールの送り主との直接対決だ。
「お忙しいところ、申し訳ありません。小山内です」
「本当に忙しいんだけど、何?用件はメールで伝えたはずだけど」
電話の相手は研究主任の牟田織江(むたおりえ)だ。研究所のイニシアチブをとるこの女性こそが、友貴子の最大の障害であった。
「あの、再検討したいとのことですが、率直に言いますと、メールからではその必要性が読み取れませんでした。そこで……」
「メールに必要性を書いてないもの。分かるわけないでしょ」
取りつく島もない。牟田主任が完全に友貴子を敵視しているのは明らかだった。