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閉じ込められた部屋で夫は
第4章 出会い ~回想~
「あ、あはは、そうですよね。そういたしましたら、必要性についてお手数ですが説明をお願いします。こちらも理由無しにはスケジュールの調整はちょっと……」

「メールに書いてないだけで理由はあるわよ!無いとでも思ってんの?バカにしてんの?」

「い、いや、そんなことは……」

「理由が知りたきゃ上司を連れてこっちに来なさい。いくらでも説明するから。貴女だけじゃダメよ。どうせ分かりはしないんだから。それじゃ」

ガチャン

言いたいことを言って、牟田主任は電話を切った。

友貴子は深いため息をついて、プロジェクト主任の課長に説明しに行く。優秀と言えど、入って2年目の友貴子が複雑なロボット工学について理解していないのは事実であった。課長無しでは牟田にいいようにやり込められるだけ。頼ることしか出来ない自分の非力さを恨めしく思った。

課長もやれやれといった感じで、出張に応じる。新幹線で二時間の場所にある研究所。もう四ヶ月で9度の出張をしている。友貴子の会社としては異例の回数であった。

(またいろいろ用意しないと……気が重いなぁ)

同棲中のうだつのあがらない彼にもまた説明しないといけないことに気づき、友貴子はさらに気を重くした。
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