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閉じ込められた部屋で夫は
第4章 出会い ~回想~
しかし、良くも悪くも顔と身体が目立つ友貴子に対して欲望の眼差しで見てくる男たちより、自分との性格的な相性を重視して付き合っている彼の存在は得難いものであったのも事実だ。

母子家庭の友貴子にとって、この世で一番欲しているのは、温かい家庭のささやかな幸せであった。それをきっとこの人はくれるだろうと信じていた。

「だから、これからお互い成長していけばいいのよ……これくらい我慢しなくちゃね」

射精したままだらしなく深い眠りについた彼の頭を撫でた後、友貴子はベッドを出てシャワーを浴びることにした。



翌日

駅構内で課長と待ち合わせした友貴子達は、研究所のある県を目的地とした新幹線に乗り込んだ。

二人並んで座ると、早速友貴子は資料を取り出して最後の復習を始める。電話を受けた一週間前から、いや、このプロジェクトに抜擢されてから友貴子はずっと勉強し続けていた。

「小山内くん、あまり根つめてばかりじゃダメだよ。今日は私もいるし、大丈夫だ」

課長が心配そうに話しかける。

「はい、でも研究所の方たちのお話を出来る限りちゃんと理解したくて」

友貴子としては、なんとか牟田主任に認めてもらいたかった。嫌みな彼女だが、研究所で群を抜いて優秀なのも事実だ。男社会で生き抜くために気を張って生きているのだろうと友貴子は思っている。だからこそ、牟田と理解し会えるようになりたいと友貴子は頑張っていた。
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