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閉じ込められた部屋で夫は
第2章 前戯
とりあえず起き上がる。理由は寝ている場合じゃないからだ。

起き上がって気付いたのは、白衣を着せられていること。微かな薬品の匂いといい白衣といい、否応なしに病院を連想する。

汗ばむ身体を押して、ドアの前に立ちドンドンと叩く。

「誰かーっ!誰かいませんかー!」

ドアが開く様子はないし、返事も聞こえない。

ドアに耳をつけて、外の様子を伺う。白い鉄製のドアはひんやりとした。

……何も聞こえない。

「ちょっと!本当に誰かいないのーっ!」

全く反応がない。

流石に焦る。

「えいやっ!あちょー!」

思いっきりドアを足で蹴った。体当たりもしてみた。重いドアはびくともしない。

ようやく事態が飲み込めた。自分はこの部屋に閉じこめられたのだ。
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