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閉じ込められた部屋で夫は
第2章 前戯
だが、閉じこめられたからといって誰かが助けに来てくれるのをただただ待っているほど気の長い性格ではない。

今度は部屋の隅々まで見て、脱出のヒントを探す。

天井の隅に黒い物を見つけた。まじまじと見ると、網のような綿のような、とにかくそんな四角い箱型のものだ。たぶんスピーカーだろう。

スピーカーに向かって手を振ってみた。

「おーい、聞こえるかー。誰か助けてくれーっ!」

ピョンピョン跳ねながら大きく手を振ってみたが、やはり反応はなかった。

……あ

スピーカーとは音を出すものであって、音を拾ったり撮影したりするものではない。無意味な行動であったと後悔する。

……どうしよう?どうすればいい?

無機質な部屋と病院のような匂い。精神的な圧迫感にますます焦りを覚える。

……なぜ、この部屋に閉じ込められているのだ?

まずはそこから考えようと思った。
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