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私は女優よ!
第4章 釣った魚に餌をやらないから、こうなるのさ

 この私が焦るほど、一度食事をしてからは三宅からの誘いはなかった。
うちの会社に訪ねてきて、受付で顔を合わせても挨拶をしても、社交辞令のような言葉を並べられるだけだった。

 あの食事で、私は見限られた?
何か失礼な事や粗相をしてしまったの?

 考えれば、考えるほど気になり出して、仕事も手につかなくなっていた。
苛々したり、泣きそうになったり、自分がおかしくなってしまうくらい、三宅の事を一日中考えていた。

 こんな事……
美人でモテる私には無縁だと思っていたのに……

 気づけば、三宅を追い掛けていたのは私だったんだ。

 これまで追い掛けられるのは当たり前で、私が付き合う男を選んできたのに。

 なのに………

 こんな扱いをされて、『なんで?どうして?』の気持ちから憤りを感じ、それを通り越したら、気になり始めて、切なくなったり、悲しくてメソメソしたり………
やりきれない気持ちに支配されていた。

 私を初めて健気な女にしたのは、悔しいけど、夫である三宅だった。
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