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私は女優よ!
第4章 釣った魚に餌をやらないから、こうなるのさ
私はいてもたっても居られず、三宅と最初に食事をした二週間後に、自ら連絡していた。
「私、何か悪い事しました?」
「えっ?」
「……私の勘違いじゃなければ、三宅さんに避けられているような気がして……」
「星野さんを?」
「………………………」
「今すぐ誤解を解かないとね」
直ぐに会えるかと三宅に聞かれて、即答でハイと返事をした。
それくらい、切羽詰まる状態だった。
私は携帯を握りしめて泣いていた。
久々に聞いた三宅の優しい声に安心したのだ。
人間は悲しい時だけしか泣くわけじゃない。
嬉しい時も涙は溢れる。
この時、私が流した涙はさ、雁字搦めに緊縛されていた心を紐解かれた気がしたんだ。