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私は女優よ!
第6章 見失う心。見えてくる現実
ーー
ー
真壁慎吾に話を聞いた翌日に三宅環と面会した。
「あなたに有利な証言を彼は約束してくれた」と告げると、三宅環の瞳から涙が溢れた。
「そんな事をしたら、あの人の人生まで狂います。要りません。私が夫の三宅を殺したのは事実なんです。
言い訳もしません。
ちゃんと罪は償います。
ですから………」
「じゃあ、真壁さんの気持ちはどうなりますか?
確かにあなたの事を証言すれば、失うものも多々あると思います。
しかし、この事実を話さずに一生過ごすのはしんどいはずです。
不倫という倫理上許されぬ恋をしても、気持ちは正直過ぎて止められない事もあるんじゃないかと思います。
ほんの一時でも、あなたとそんな恋をしたのなら、例え結ばれずとも、正直に話してあなたを助けたいという気持ちになるんじゃないですか?
多分、最も最低の人間にならない為に。
嘘を重ねてきたのだから、これ以上の嘘はつけない。
良心の呵責に苛まれたり、葛藤もあったでしょう。
でも、彼はこれからも人間らしく生きる道を選択した。
これは弁護士としてではなく、一人の女としての意見として聞いて下さい」
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真壁慎吾に話を聞いた翌日に三宅環と面会した。
「あなたに有利な証言を彼は約束してくれた」と告げると、三宅環の瞳から涙が溢れた。
「そんな事をしたら、あの人の人生まで狂います。要りません。私が夫の三宅を殺したのは事実なんです。
言い訳もしません。
ちゃんと罪は償います。
ですから………」
「じゃあ、真壁さんの気持ちはどうなりますか?
確かにあなたの事を証言すれば、失うものも多々あると思います。
しかし、この事実を話さずに一生過ごすのはしんどいはずです。
不倫という倫理上許されぬ恋をしても、気持ちは正直過ぎて止められない事もあるんじゃないかと思います。
ほんの一時でも、あなたとそんな恋をしたのなら、例え結ばれずとも、正直に話してあなたを助けたいという気持ちになるんじゃないですか?
多分、最も最低の人間にならない為に。
嘘を重ねてきたのだから、これ以上の嘘はつけない。
良心の呵責に苛まれたり、葛藤もあったでしょう。
でも、彼はこれからも人間らしく生きる道を選択した。
これは弁護士としてではなく、一人の女としての意見として聞いて下さい」