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私は女優よ!
第6章 見失う心。見えてくる現実
長い沈黙の後、三宅環はポツリポツリと夫の三宅友和を殺害するまでの経緯を話していった。


ーー

 


 常に私の心は悪魔と葛藤してました。
あの人に『ダメな女』だと言われる度に、心に針を刺されたような痛みを感じ、“私はダメな女だから生きる価値もない”そう思えてきました。
生きる価値もないのに、死ぬ事も出来ない。
なんて惨めな生き様なんでしょう。

 これでもね、女として自信を持って生きた時期もあったんですよ。
あの三宅だって、そんな私を心から愛してくれていたと思える時間だってあったんです。

 お金がないと人の心は荒む。
ビジネスの天才、若き成功者と言われた三宅も借金を背負ってからガラッと変わりました。

 一度成功を手にした人間が、転落すると惨めですね。

 手のひらを返したように三宅の取り巻きは去ってゆき、貧乏と孤独の両方の苦しみを味わう事となりました。

 泣くに泣けないんでしょ。
そんな時の男って。
私の前で素直に弱音を吐いて大泣き出来たら……
出直せたのかもしれません。

 三宅を素直になれなかったのは、私のせいなんだと思いました。

 あの日、あの人を刺して目の前に血の海が広がってゆきました。

 あぁ……この人も真っ赤な血の通った人間だったんだ。
動かなくなって、呼吸もしなくなると、私を罵声し続けた声すらも聞こえなくなった。
血生臭い部屋は鎮まりかえったんです。

 この世に怖れるものもなく、毎日私の耳で鳴り響いていた屈辱的な言葉も止み、安堵と共に人を殺してしまった罪悪感が襲ってきました。
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