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私は女優よ!
第6章 見失う心。見えてくる現実
怖くなった。
自首しなくちゃいけないと思いながらも、体が動かなくて……
誰にも言えなくて、だって、言ったら迷惑をかける。
私は人殺しなんだから、そんな事……言えないし、助けてなんて……言う資格もない………
ーー
ー
三宅環は声をつまらせ泣きながら一気にここまで話した。
「だから、ご近所から通報があるまでそのままだったんですね?」
「………はい」
「落ち着いてからで構いません。
夫の三宅友和さんを何故殺害してしまったのかお話して貰えますか?」
「離婚してくれと三宅から言われたんです」
「離婚は考えてなかったのですか?」
「心では何度も何度も考えました。
その日が来たら、私の心の闇も晴れて穏やかな生活を送れるの……かもしれない。
でも、切り出す勇気も、実際三宅から離れる勇気もありませんでした」
「どうしてですか?」
「三宅とも恋をしたんですよ。
ずっとずっと昔は………」
「恋愛結婚だったんですね」
「はい。
いい時ばかり彼と一緒に居て、彼が躓いたら見放すなんて、上辺だけのあの人の取り巻きと同じじゃないですか」
この女の愛が深過ぎた故の犯行なのか……?