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ヒロイン三国ファンタジー
第15章 15 英雄たちの死・2
「青青たる子が衿 悠悠たる我が心――」
「但だ君が為の故に 沈吟して今に至る」

「ん? 仲達か」
「はっ、ここにおります」

「続きが違っておる。たとへ我往かずとも なんぞぞ音を嗣がざらんや」
「ああ、魏王の短歌行ではなかったのですか」

「鄭風の子衿だ」
「恋の歌ですな」

「人材を求めることは私にとって愛しい人を求めることと変わりない。その愛しい者たちも随分なくなってしまったがな」
「……」

「それで何用だ。軍議は明日だ」
「実は、これを……。父が亡くなりまして遺品にあなた様の名前と一緒に入っておりました故」

「何? 司馬防建公が亡くなったのか」
「ええ。もう長く伏してはおりましたがとうとう。それで遺品を整頓したのです」

 司馬懿はうやうやしく小さな絹織物の包みを差し出す。曹操は長細い包みを開くと真っ赤な丸い宝石のついた金のかんざしがあった。

「これは……」
「おそらく西方からの商人から手に入れたものでしょう」

「建公殿……」

 老いた曹操がまるで少女のように目を輝かせ紅玉を見入る。

「若い頃はこのようなものに心を奪われることなどなかった」

 胸にかんざしをあて、曹操は司馬防を偲ぶ。
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