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ヒロイン三国ファンタジー
第19章 19 山陽公
 曹操の身代わりとして曹節を抱くときの彼はまるで赤ん坊が腹の中に戻りたいとでも言わんばかりに、密着し、むしゃぶりつき腰を動かしていた。

「ああ、今まで夢を見ていたような気がする」

 劉協は曹節の白い肌をすうっとなぞり、乳首と乳首、へそ、花芽へと指先を遊ばせる。
まるで洛陽、長安、許都、そして山陽まで流転してきたわが身を辿るようである。

「ああ、陛下」
「朕をずっと待ってくれていたのだな」

 左手で乳首をつまみながら肌をなぞる指先で花芽をくるくるとまわし、渓谷をなぞり蜜源へと埋める。

「うんっ、あうんっ」
「節の声は甘いな」

 そっと唇をふさがれたかと思うと、柔らかく湿った舌先がまたそっと唇を開けようとする。
曹節は初めて口づけを交わすかのように、夢中になり劉協にしがみつく。

「ああ、陛下、陛下」
「節よ、節よ。今そちの中に入ろう」

「んんっ!」
「平気か?」

「ええ。もっと、もっとくださいませ」

 剛直を全て媚肉に埋め、一体となるように強く抱きしめあうと、二人の心は満たされ温かくなった。
劉協は繋がったまま身体を起こし、曹節の膝を曲げさせゆっくりと奥を探る様に腰を動かす。

「良いところを教えるがよい」
「ううっ、あううんっ、ど、どこも、良くて、ご、ざいます」

「そうか。では朕が捜そう」
「ひっ、あっ、くぅっ」

 貫かれ揺さぶられながらも曹節は劉協の優美さにため息をつく。
漢王朝、最後の皇帝は堂々と優雅でたとえ男女の交わりの最中、快感を得ても品位は失われないのだ。

「ああ、陛下こそ、陛下こそ、真の皇帝であられます、う、うぅう」
「もうよいのだ。節よ。ここで二人で心ゆくまで愛を交わし行く末を見守ろう」

「ああ……。あなた……」

 曹節は心から真に欲するものを手に入れたと実感する。地位でもなく名誉でもなく財産でもなく。ただ一人の愛する男である。
 これ以上に幸せなことがこの世にあるのであろうか、いや、ないであろうと歓びの涙を流した。



 劉協の死後、すでに亡くなっている太子の代わりに孫の劉康が山陽公を継ぐ。
曹節は母として、祖母として子供や孫たちを献帝の名に恥じぬよう、立派に優美に育て上げ天寿を全うした。
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