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ヒロイン三国ファンタジー
第20章 20 決着
司馬懿は諸葛亮と対峙するたびに彼の見識の高さ、策略の巧みさに稀代の奇才と舌を巻く。自分の戦略のなにもかも上を行く様子に、敵とみなす前に尊敬の念が沸いている。
諸葛亮も彼を宿敵以上のお互いを高め合う存在だと認めていた。司馬懿以上に自分の事を知り、慮るものは誰もいないであろう。限界の能力を、智謀をここまで高め引き出させるのはお互いでしかないのだ。
その二人にもとうとう勝敗が決まるときがやってくる。
諸葛亮の策略により、司馬懿軍は火攻めにあい、もはや壊滅寸前の時であった。そこへ雨が降ったのだ。天文を知り、東風まで操った諸葛亮はまさかの雨に驚愕し、膝をつく。
「な、なぜだ……。雨など、降るはずがなかったのに……」
今日こそ、魏軍をせん滅し、漢王朝の復興と高揚していた気分が暗転する。極度の精神的打撃が、酷使していた身体を襲い彼は吐血してその場に倒れ込んだ。
己の命が尽きる前に、諸葛亮は退却しやすい五丈原に陣を移す。
信頼のおける将軍、姜維を呼び、兵法書を渡し今後の蜀の軍事を任せる。そして将軍、文官に今後の蜀の行く末を話し、幕僚長である楊儀に方針を書かせた後、人払いをした。
涙をこぼしながら下がる楊儀に「すまない」と諸葛亮は詫びる。楊儀は声を押し殺し、唇を噛んで部屋を後にした。
諸葛亮も彼を宿敵以上のお互いを高め合う存在だと認めていた。司馬懿以上に自分の事を知り、慮るものは誰もいないであろう。限界の能力を、智謀をここまで高め引き出させるのはお互いでしかないのだ。
その二人にもとうとう勝敗が決まるときがやってくる。
諸葛亮の策略により、司馬懿軍は火攻めにあい、もはや壊滅寸前の時であった。そこへ雨が降ったのだ。天文を知り、東風まで操った諸葛亮はまさかの雨に驚愕し、膝をつく。
「な、なぜだ……。雨など、降るはずがなかったのに……」
今日こそ、魏軍をせん滅し、漢王朝の復興と高揚していた気分が暗転する。極度の精神的打撃が、酷使していた身体を襲い彼は吐血してその場に倒れ込んだ。
己の命が尽きる前に、諸葛亮は退却しやすい五丈原に陣を移す。
信頼のおける将軍、姜維を呼び、兵法書を渡し今後の蜀の軍事を任せる。そして将軍、文官に今後の蜀の行く末を話し、幕僚長である楊儀に方針を書かせた後、人払いをした。
涙をこぼしながら下がる楊儀に「すまない」と諸葛亮は詫びる。楊儀は声を押し殺し、唇を噛んで部屋を後にした。