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ヒロイン三国ファンタジー
第20章 20 決着
諸葛亮はこれまで北伐に反対せず、臣下である自分を尊重してくれた劉禅に感謝の念を捧げるとともに、亡き主君、劉備に謝罪する。
「我が君。私はあなた様の望みをかなえることが出来ませんでした」
ふうっとため息をつき、天井を見上げると妻の黄氏が微笑んで立っていた。
「ああ、君は。いつの間にここへ。成都に居たはずでは」
「あなた。お疲れさまでした」
炎のような赤い長い髪を結わずに腰まで垂らし、褐色の肌は艶やかで滑らかだ。
「君は変わりませんね」
「そう見えるだけですわ」
「志半ばで逝ってしまう。君には苦労をかけました」
「いいえ。あたくしは幸せでしたわ」
「ああ、我が君の想いに応えることが出来なかった。合わせる顔がない」
「いいえ。玄徳様はきっとあなたを称えられますわ」
「そうであろうか?ああ、なんだかひどく眠い……」
「おやすみなさい。どうかゆっくりお休みになって……」
諸葛亮はすうっと目を閉じると、そのまま静かに息を引き取った。
黄氏は永遠に眠る諸葛亮の横で異国の祈りの言葉を捧げる。
「天におられる我らが父よ。どうぞ彼の魂に平安を」
やつれやせ細り白髪になってしまった諸葛亮の姿を見つめ、黄氏は人生の儚さを思い知る。
「我が君。私はあなた様の望みをかなえることが出来ませんでした」
ふうっとため息をつき、天井を見上げると妻の黄氏が微笑んで立っていた。
「ああ、君は。いつの間にここへ。成都に居たはずでは」
「あなた。お疲れさまでした」
炎のような赤い長い髪を結わずに腰まで垂らし、褐色の肌は艶やかで滑らかだ。
「君は変わりませんね」
「そう見えるだけですわ」
「志半ばで逝ってしまう。君には苦労をかけました」
「いいえ。あたくしは幸せでしたわ」
「ああ、我が君の想いに応えることが出来なかった。合わせる顔がない」
「いいえ。玄徳様はきっとあなたを称えられますわ」
「そうであろうか?ああ、なんだかひどく眠い……」
「おやすみなさい。どうかゆっくりお休みになって……」
諸葛亮はすうっと目を閉じると、そのまま静かに息を引き取った。
黄氏は永遠に眠る諸葛亮の横で異国の祈りの言葉を捧げる。
「天におられる我らが父よ。どうぞ彼の魂に平安を」
やつれやせ細り白髪になってしまった諸葛亮の姿を見つめ、黄氏は人生の儚さを思い知る。